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5月24日㈫、本校大講堂にて創立記念式典が行われました。

 

創立記念式典では、永川理事長が全校生徒に向けて、「横浜富士見丘学園の歴史と現在」に関して話しました。

以下にその内容を記します。

皆さんこんにちは、学校法人富士見丘学園理事長の永川です。私は普段皆さんの前でお話しする機会はあまりありませんが、今日は創立99周年記念式典に当たりまして、学園の歴史について少しお話をします。

本学園は1923年に、児崎為槌先生によって、横浜市中区野毛町に「日の出女学校」として、創立されました。創立時の教育方針は、「自立自営の精神」に置かれ、授業も自学自修を勉学の基本とし、生徒に「何事も人に頼らず、自分の事は自分でせよ」と説きました。関東大震災で校舎が喪失したため、創立の翌年に横浜市西区東久保町に移転し、1932年に澁谷近蔵先生が設立者となって校名を「富士見丘高等女学校」と改めました。

本学園の建学の精神は「真の教育は魂の教育と信じ、教育はどこまでも修養本位・人物本位でなければならない」というものです。その建学の精神を戦後に継承するにあたり、聖徳太子の17条憲法第1条「和をもって尊しとなす」から、教育の方針を「和」と定めました。この「和」の精神は、どのような世の中においても、人の心を思いやることが大切ですよという、最も基本的な精神です。そして、1957年に「敬愛・誠実・自主」という校訓を定め、2007年にこの場所に移転しまして、「横浜富士見丘学園」となって現在に至っております。

この99年の間に、大正、昭和、平成、そして今の令和と元号が変わり、非常に長い歴史を感じますが、この長い伝統は、これまで本学園に携わってこられた多くの方々の努力や苦労の上に築き上げられたということを忘れてはなりません。これからも、この伝統を引き続き守っていかなければならないと強く思っております。

一方で、現在の社会情勢を見ますと、新型コロナウイルスの蔓延やロシアのウクライナへの軍事侵攻、また外国為替市場で1ドル130円を超えるような円安となることなど、数年前には想像もしていなかった事態が次々と起こっています。これからも、何が起こるかわからない不確実性の時代であることを覚悟しておかなければなりません。

私たちは伝統を守っていくのと同時に、このような時代の変化にも対応していかなければならないのです。私が毎回申し上げている「不易流行」です。「時代を超えて変わらない価値のあるもの」である「不易」と、「時代の変化とともに変えていく必要があるもの」である「流行」とのバランスを取っていくことが大切です。

本学園がここ数年間で大きく変わりました。まず女子校から共学となり、昨年度より中1から高3までの全学年に男女が在籍するようになりました。また学習面では、英語力強化のためにオンライン英会話、イマージョン授業、グローバルアイなどを行い、確かな学力を身につけるために、スタディサプリの活用や、放課後学習支援システムとしてTERAKOYA、Success Club、Success塾を始めました。Success塾は当初の英検講座、英語講座、数学講座に小論文講座も加えるなど講座を増やしていきますので、対象の皆さんは是非受講を検討して下さい。そして、生きる力を育むために、クエストエデュケーション、哲学対話などを行い、昨年度からは富士見丘リベラルアーツプログラム(FLAP)を始めまして、バイオリン、油絵、英語の多読多聴など幅広い教養を身に着けてもらうための取組をしています。 

学習面以外でも、昨年度に新設した4つの同好会(フットサル、卓球、eスポーツ、囲碁・将棋)には、今年も新しいメンバーが加わって活気が出てきています。

本学園はこれからも皆さんが、「たくましくしなやかに自ら未来をデザインする」ことができるよう全力でサポートしていきます。皆さんと本学園の前に洋々たる前途が開かれることを祈念いたしまして、簡単ですが私からの創立記念の言葉と致します。

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